中日クラウンズ 2014

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今年もけなげに咲くたんぽぽの花に励まされ・・・【動画UP】

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  • 今年は左膝の半月板痛で、本戦は回避した中嶋だったが・・・
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  • 遅れてきた星野は寿司を握る兼本、中嶋を気にかけつつ、施設のみなさんの挨拶回り(右から)
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  • 寿司職人、山内さんご一家。今年は頼もしい跡継ぎも参加!! 康寛くん、お手伝いありがとう
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  • 新提案をした桑原。来年以降は若い力の投入にも力を注ぐ
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  • また来年お会いしましょう!

今年も、けなげに咲くたんぽぽの花に遭いに行くためには、どんな面倒もいとわない。常連メンバーたちにとってはもはや、欠かすことのできない大切な恒例行事だ。中嶋常幸が、和合の1番パー4で、ティショットを直接入れるアルバトロスを達成したのは1998年。55回という長い歴史の中にあってももはや、他の誰にも真似できない偉業達成は今も、59歳の大きな誇りである。

そして、そのとき受け取った賞金の一部を地元東郷町の小規模授産施設「たんぽぽ作業所」に寄贈して以来、16年にわたって続けてきた施設のみなさんとの交流会も、もはや「慰問とは言えない。僕らこそ、みなさんに励まされてきたから」。今や、生き甲斐といってもいい。

「ここに来ないと新しいシーズンが来ないといってもいいくらいに、僕にとっては大切な場所。毎年、ふるさとに帰ってきたみたいな感動と喜びがここにはある」という中嶋は、今年開催直前に苦渋の決断をした。

当初、本戦への出場を表明してたが、やむなくキャンセル。昨年7月に手術をした左膝半月板の状態が、あまりよろしくない。「だから今年はやめたんですけど、みなさんにはどうしても遭いたくて来てしまいました」と言って、施設のみなさんにやんやの声援を浴びた。

そういう意味では、兼本貴司も同じだ。「僕も“一身上の都合”で、試合には出られないのですが・・・」と、照れ笑いだ。昨年にシード権を失った兼本には、中日クラウンズの出場権もなく、身銭をきってはるばる地元広島から新幹線と、レンタカーを乗り継いで、来てしまった。「どうしてもみなさんに、遭いたかったんです」とこの施設訪問は、今や「本業?」と中嶋にからかわれるほどハマっている趣味の釣りにも匹敵するくらい、毎年楽しみにしている恒例行事である。

逆に昨年は出場権がなくて、主催社推薦のご厚意を受けた鈴木亨は今年、チャレンジトーナメントのランク7位の資格でここに戻って来られたことが、本当に嬉しい。「みなさんとお会いできて、今年もまた頑張れる」と、みなさんと1年ぶりの再会が、本戦にかける思いをいっそう盛り立てる。

星野英正はこの日、2003年の覇者として今年55回記念大会の目玉イベント「チャンピオンズマッチ」に出場。恒例の施設訪問には、遅刻してでも参加したかった。「皆さんの元気なお顔だけでも見に来たくて」。
毎年、中嶋の大親友の寿司職人の山内和義さんが用意してくださった新鮮なネタを、プロがみんなで握って、施設のみなさんにふるまうのも恒例だ。ちょうど中嶋らが寿司を握り始めたときに到着した星野は施設のみなさんのあまりの歓待ぶりに自分はまずは挨拶周りに追われて寿司を握る間もなく、大先輩方が握ってくれたお寿司をちゃっかりと頬張りながら、「僕は本当に、食べにきただけ」と、いつもクールな男がペコペコと苦笑いだ。

抱腹絶倒の“質問コーナー”も、合唱タイムもいつも変わらぬ光景に、それはそれで、メンバーたちには和みのひとときなのだが、日々進化を求め続けるプロゴルファーとしてはこうした社会貢献活動でさえ、現状で満足してはおれないのは職業柄か。

地元出身のベテラン、桑原克典が初めてこの施設を訪れたのは「僕が29歳のときでした」。あの頃は若かった。怖いものなど何もなかった。あれから16年が流れて、ジュニア時代から地元のみならず、全国各地で名を馳せたスター選手も今年45歳になった。その間、シード落ちと復活を幾度か繰り返して、ツアーでも世代交代の波をかぶらないではいられない年齢になった。
「僕ももちろん、毎年ここに来たいし、来年もまたお邪魔させてもらうつもりです。だけどそれはそれとして、この施設訪問も世代交代を考えていかなければいけない時期に来ているのではないか」。桑原のこの提案に、“リーダー”の中嶋も神妙に頷く。

今回の“寿司職人”でさえ、新戦力が投入されたのだ。かいがいしくお手伝いに加わってくれたのは、5歳になる山内さんのお孫さんの康寛くん。参加メンバーだって、若返りを図っていかなければならない。
「本当にそうだよね。いつまでもこのメンバーで続けていけたら最高だけど。みな年齢を重ねれば、そうも言っていられなくなる。今の良い形を引き継いでくれる、20代から30代の新しい選手も加わっていって欲しいよね」。
伝統の継承は、何もゴルフの技術だけではない。こうして自分たちがつなげてきた地元の方々との絆を若い世代に引き継いでいくことも、ベテランの大切な役目である。

もっともその世代交代も、今回ばかりは慎重に進めなければならない。中嶋は「ここにいるみなさんが、いきなりのメンバー交代にびっくりしないように。いきなり新しい選手が来てみなさんが混乱してしまうことがないように。僕らが間を取り持ちながら、徐々に上手にバトンタッチをしていかなければいけないね」。心温まる交流は、次の世代も見据えて継承されていく。

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