カシオワールドオープン 2014

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片山晋呉がツアー通算28勝目!【インタビュー動画】

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賞金レースがますます熱く燃える真っ只中で、5度の賞金王が貫禄を見せた。片山が逆転のツアー通算28勝目をあげた。最終日はひとつ前の組で、若い最終組を蹴散らした。平本と小平と今平は、いずれも20代の3人に真の強さを見せつけ「今日は横綱のようなゴルフができた」。

大混戦の序盤も後半は、12番で3メートルのバーディを奪うと、火を吹いた。「ここからは全部、ピンを狙っていこう」と13番は1メートルの連続バーディも、後ろの組には「全部丸見え、丸聞こえ」。見せつけるように何度も握ったガッツポーズも、後ろの3人に見せるため。とどろく大ギャラリーの歓声も「全部聞こえて、たまんないだろうな・・・」と3人の胸中を思えばなおさら、燃えた。
「僕の場合は経験もあるし、違うところからの引き出しから出して模索するタイプですから」と、ベテランの自信に満ちていた。

14番では下りの6メートルを沈めて、「勝つ時は、こういうのが入るんだ」ともはや、勝利を確信した15番もまた、6メートルを難なくねじこみ、圧巻の4連続でこれでもか、と最終組に揺さぶりをかけ続けて、会場には早くも終戦ムードが漂っていた。

42歳の今年は、これぞまさに厄年というのだろう。歩く事さえままならずに、悶々とした時間を過ごした今季序盤。首と腰の頸椎ヘルニアはついには右手に痺れさえ感じるようになり、一時期は松葉杖の助けがなければ立ち上がることすら出来ずに、「今年はもう無理だと思った」と絶望した。

1日に6つも病院をハシゴしても、どの医者も「大変ですね」と繰り返すばかり。さしたる治療法も見つからずに、先の予定も立たずに、車の後部座席でふて腐れて座ってばかりの片山。マネージャーの金魚潤一郎さんと、ついにケンカになった。「辞めていいですか」と長年の付き合いも、初めて“退職願い”を突きつけられて、「本当にゴメンね」と改めて詫びたい。

少し歩けるようになっても、とてもゴルフどころでなく気を紛らわそうと、蘭の花や観葉植物を買い込み、「おはよ~とか、ただいま~とか。今日も言うよ」と、せめて木々たちに話しかけて癒やされる日々。
気晴らしに「今まで行ったこともない場所にも行ってみたり」。リハビリをかねて、おのぼりさんよろしく都内を散策したり、「今は休む時期。シーズン中に長いお休みをもらったんだな」と、言い聞かせて復活の時を待った。

2週前には左足のかかとを痛めて昨年は、最終戦でエースキャディの佐藤賢和さんと、「来年はお前で1回勝つからね」と交わした約束。しかし、とても実現出来そうになくて、自分が留守の間に佐藤さんが、石川と女子プロの上田桃子さんを1勝ずつアシストした時もむしろ「良かったな」と、ほっとしたり。今シーズンも早、終わりを告げようかという時に自分もやっと、土壇場の1勝をプレゼント出来た。

最後の18番は、「これぞプロゴルファーという1打」。18番のパー5は丁寧に刻んで残り105ヤードの3打目は、52度のウェッジでとどめの一撃。まさにピンにくっつく鮮やかなバーディ締めで、佐藤さんとがっしり抱き合い「ここまで支えてくれた、たくさんの人たちのおかげです」。いつも明るく朗らかに支えてくれた。グリーンサイドで崩れ落ちた佐藤さん。号泣していた。

最終戦から数えて伝統の4戦のうち、唯一勝てずにいたのが今大会だ。「いつもは13時の飛行機で帰る僕が」と、その点でも感無量。苦手コースにいつもは香南市の定宿も、今年は高知市内からあえて1時間をかけて通ってみたり、この日は4日目にして、久しぶりにテンガロンハットを被ってみたり。手を変え品を変えても肝心のコース攻略を考えあぐねて、「真ん中向いて、どっちかに行けばいい」と3日目まではあえて“棒のゴルフ”もゲームも佳境を迎えてくると、自然と体は反応していた。

「今日は後半から球筋を作っていった」と、優勝争いの最中にも「あれを試してみようとか、こうやって打ってみようとか。ドキドキして、興奮して、心臓出そうでも、たまんないなと。俺はこういうのが好きで、だから続けているんだな」と、久しぶりの優勝争いで、再びざわめく勝負師の血だ。

昨年は東海クラシックで5年ぶりの復活Vに掲げた「40代での賞金王」。手負いの今はまだ、そんな大きなことは言えそうにないが「球も飛んでるし、ゴルフが衰えたとは、思ってもいないしこれからも、出来ることをコツコツと、また来年だね」。

次週はいよいよ今季のツアー最終戦。「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は頂上決戦の晴れ舞台にも「勝って行ける」と大喜びで、節目の30勝まであと2勝。「今年はあと1試合しかないからね。来週、勝っても29勝。それもまた、来年だね」。白髪交じりのあごひげで、ニヤリと笑った。

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