ゴルフ日本シリーズJTカップ 2007

大会ロゴ

大会記事

広田悟「棚ボタの出場権」

  • photo1

先週のカシオワールドオープンで腰痛で初日に棄権をして一度は諦めた。その時点で、賞金ランクは24位。この日本シリーズの出場資格は上位25位。「絶対に入れない」と、落胆してコースを去った。

山口県宇部市の自宅に帰って家族と夕食を囲んで乾杯した。
「1年間、お疲れ様」と互いにねぎらって、長女・璃香(りか)ちゃんには「明日は公園に遊びに行こう」と約束。

朗報は、璃香ちゃんと滑り台を滑っているときに聞いた。
日本ゴルフツアー機構のスタッフから「来週も出られることになりました」と聞いて、真剣にムカついた。
「何を冗談を。俺をからかうのもいい加減にしとけよ」。
完全に道は途絶えたと思っていたのだ。

ランク25位で踏みとどまって「棚ボタ」でつかんだ2年ぶり2度目の出場切符。

5月の日本プロで、伊澤利光と最後まで争って2位。
やはり三菱ダイヤモンドカップで最後3メートルのバーディパットを外して1打差の2位。

ツアー通算2勝目はもう一息だった。
思いがけず権利を得たこの最終戦でその悔しさを晴らしたいところだが、「そんなおこがましい気持ちは毛頭ない」と広田は言う。

「本当は出られなかったかもしれない試合。ここにいられるだけでも幸せだ、と」。
そんな謙虚な気持ちが好スタートの要因か。
この日初日は首位と3打差の3位タイ。

選手会長の深堀圭一郎や、伊澤利光らと出演したスポーツバラエティ番組で、「やんちゃしていたころ」の写真を披露したのは今年の夏。
白い特攻服に身を包み、頭にハチマキをしてバイクにまたがっている写真はかなりのインパクトがあった。
過去を知っている人は多かったが、実際に写真を見て「本当だったんだ~」と、あとでたくさんの人に言われたものだ。

更生のきっかけは、19歳の春。恩師の成松伸哉さんが高校教諭から力士に転身したというニュースをテレビで見て発奮。「俺も夢を追いかける人生を送る」と決めたのだ。

「自分も無茶をした人間だから分かるけど、ああいうやつらは人に言われても反発するだけ。自分で気づかなくちゃね」と、笑いつつ「それでも、ほんの何人かでも、俺がいまこうしてプロゴルファーで頑張ってるってことを知って、生き方を変えるきっかけにしてくれるなら嬉しい」。

そんな思いをこめて、“元ヤン”プロゴルファーが今年最後の力を振り絞る。

» 前のページに戻る

関連記事

広告