ゴルフ日本シリーズJTカップ 2007

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賞金レースが決着 谷口徹が5年ぶり2度目の王座へ

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  • 大逆転のジョーンズ(右)に「ほんまに余計なことしてくれて・・・」と笑顔で抗議
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  • プロ仲間の手で宙を舞って感無量・・・

本人はもう覚えていないかもしれないが、「もうゴルフができない・・・。それどころか死ぬかと思った」と、思わず口走ったのは5年前。初の賞金王に輝いた年だ。

最初の兆候は、その年2002年11月のダンロップフェニックスだった。2日目の朝に呼吸困難と顔面麻痺。それでも症状をひた隠し、渾身のプレーで14位につけたものの、翌週のカシオワールドオープンは力尽きて欠場。そのまま当時会場の鹿児島市内で極秘入院していた。

賞金王が確定したというニュースはベッドの上で聞いた。
しかし「おめでとう」と言われても、実感が沸かなかった。左頭部の血管腫という診断を受けて、絶望の淵にいた。

結局、この最終戦も欠場せざるをえず、マネージメント会社を通じ、会場にファックスで賞金王の感想を配信したものの、「これから自分はどうなってしまうのか・・・」。
選手生命最大の危機に、とても喜ぶどころではなかったのだ。

だが今年は違う。
「何より健康に、ゴルフができる幸せを感じている」としみじみと話したのは先週の木曜日。
そればかりか最後まで賞金レースを引っ張って、ついに迎えたこの最終戦でもV争い。

結局、2位に「まったく、ジョーンズが余計なことをしてくれるから!」と、あくまで勝負師の姿勢を貫きながらも最終日、恒例の全員参加の閉会式でプロ仲間の手で宙を舞って感無量だ。

「今回は最後まで試合ができた。みんなにも、ああして最後に胴上げしてもらって本当に嬉しかった」と言ったとき、ほんの一瞬だけ涙がにじんだ。

7月のセガサミーカップで自身3度目の2週連続Vを達成してツアー通算13勝目。
これを契機にランク1位に躍り出て、そのままトップを走り続けたが、「常に1番でいることのプレッシャーがあった」と打ち明ける。

そんな重圧を癒してくれたのはほかでもない、家族の存在。
3位タイに浮上した前日3日目に電話して「明日、来る?」と聞いたら「もう着いてホテルにいるだって! あいた口がふさがらなかった」と、谷口が笑ったのは2005年に結婚した妻・亜紀さん。
そして、何より今年2歳になる長女・菜々子ちゃんとの触れ合いが、「日々の緊張から解放してくれた」と振り返る。
確かに前回初の栄冠に輝いたときのほうが「ゴルフオンリー。練習量も多かったし、集中していた」かもしれないが、最愛の家族を持ってから初めて掴んだ頂点には、また格別の思いがある。

歯に衣着せぬ物言いが、とかく取りざたされる選手だが素顔は純粋で温かい。憎まれ口をききながらも、練習場で懇切丁寧に若手を指導する姿が常にある。

片山の4年連続を阻止したのは確かに嬉しい。
だがそれも、「若い子の元気がないから僕が稼がせてもらえたということ」と、ここでもやはり辛らつに、「僕とシンゴばかりじゃつまんない。他の子たちも、NO.1になれるよう頑張って!」。
2007年を、全力で走り抜けた39歳のキングが次世代に熱いエール。
これからも先導切って、ジャパンゴルフツアーを引っ張っていく。

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