サン・クロレラ クラシック 2006

大会ロゴ

大会記事

谷原秀人が今季2勝目

  • photo1
  • photo2
  • photo3
  • 「素晴らしい舞台を作ってくださった」(谷原)小樽カントリー倶楽部のグリーンキーパーほかコーススタッフのみなさんと・・・

谷原の視線が止まった。18番グリーン横の手動式スコアボード。しばらく凝視したまま動かない。
「目を、疑っていたんです。2人とも、ボギーだったんだ、と」。
ひとつ前の組で回っていた藤田とマークセンのことだ。
通算5アンダー首位タイのまま、ホールアウトしたものとばかり思っていた。
だから、自ら18番のティショットを左林に打ち込んだときに「終わった」と思い込んだ。

しかし、2人が18番で揃ってボギーを打ってすでに脱落し、敵は目の前の平塚だけ。そうと分かった瞬間、谷原の心に最後の火が灯る。
ピン奥3メートルのパーパットは「意地でも、入れてやろうと」。

もし外せば、ほかに宮本、富田を加えた6人によるプレーオフ。そうなれば、勝てる自信が谷原にはなかった。
「最後は、もお気合だけ。気持ちだけで入れました」。
軽いスライスラインは「狙いどおり」。
打った瞬間「入る」と直感した。
ど真ん中からねじこんで、執念の粘り勝ちだ。

昨年、参戦した米ツアー。ツアーカードさえ取れず「徹底的に打ちのめされた」が、手ぶらではなかった。
アメリカに挑戦したあと、帰国後に長く不振に陥る選手は多い。
だが谷原は「僕は絶対にそうはなりたくなかった。逆にここまでやれる、ということを証明したかった」という。
慣れない地での転戦。言葉さえ通じず、ゴルフ以外の苦労も味わったことで、養われたのは強烈な「ハングリー」精神。
「むこうで苦しさを経験して、日本に来ている外国人選手たちの気持ちが分かっただけでも良かった」と振り返る。

ウッズら、トッププレーヤーたちの技もちゃっかり盗んで帰国。
特に、パッティング。
「上手い人は、どんなに長いパットもゆっくりとストロークしている」。
見よう見まねで、「帰ってきても、常にヘッドの重みを感じながら打つようにした」。
それが、この週に生きた。
「今週、完璧に打てたのは4日間で3球くらい」。最終日、満足な出来は9番のティショットだけ。
「今年1番か2番くらい、ひどかったショット」。度重なるミスは、グリーン上でしぶとくカバーだ。

「こんなゴルフでも、勝てるんだ」というのが今季2勝目の本音だ。
「・・・こんなゴルフで勝てちゃって、日本のレベルはどうなんだ?」というのもまた本音。
だからこそ、勝った翌日にも体がバラバラになるほどのトレーニングに励む。
このあと2週間のオープンウィークには、ショットの修正に専念するつもりだ。
「これで、ショットが良くなっちゃったら、誰も僕に勝てないかも」と、言って笑った

「片山さんを倒せるのは僕しかいない」と言ったのは今季初Vをあげた6月のJCBクラシック仙台だった。
ちかごろ威勢の良いコメントが増えたのも「自然のなりゆき」。
5位につけた全英オープンからの帰国第1戦。実績を積み、注目されることで増した責任感。
「ギャラリーのみなさんに、良いプレーを見せてあげたい」。
その思いが、さらに谷原を高みへと押し上げる。
これからの日本ツアーは「僕が引っ張る」と言ってはばからない。

そんな谷原が今年、目指すはもちろん初の賞金王の座。
「これからまだまだ、勝てそうな気がするから。勝てるだけ勝ちたい」と、真顔で言った。




» 前のページに戻る

関連記事

広告