日本オープンゴルフ選手権競技 2002

大会記事

「僕が勝てると、思ってなかったんだけど」

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母国ではジャンボ並みの有名人、デービッド・スメイルがその実力を日本で開花

日本ツアーで例えれば、扱いは、ジャンボ並み。
スメイルは、故郷のニュージーランドでは、ちょっとした有名人だ。
昨年、初出場したワールドカップが、転機だった。
米シード選手のマイケル・キャンベル(NZ)とのペアで、第1シード国アメリカのタイガー&デュバル組と、エルス率いる南アフリカチームほか1チーム(デンマーク)を相手に、プレーオフ。
2位と大健闘した。
日本ツアーを拠点としていたため、母国では、それほど名を知られていなかったスメイルは、一躍、時の人となった。
「あれをさかいに、彼は変った」と、日本女子ツアーのプロゴルファーでもあるシェリー夫人は、証言する。

「なんていうか、プレーに集中力が増した、とでもいうのかしら。世界の大舞台を経験して、そういう、プレッシャーのかかる位置でのプレーに慣れてきたのね。今日も、スタートの1番で私の投げキッスに答えたあとは、一度だって、私に目もくれなかったほどですもの(笑)」


1番で、第2打を右奥のバンカーに入れ、いきなりのボギー発進にも、スメイルは、顔色ひとつ変えない。


今週のフェアウェーキープ率は、4日間トータルで2位。
正確無比なショットで下関の小さなグリーンを捉え、どんなに長くバーディパットが残っても、目の強い高麗グリーンを読みきり、きっちりと距離をあわせてOKに寄せ、確実にパー狙い。
その中で、チャンスがあれば取るという戦略が、みごとにハマった。



15番では、カラーから約20メートルもの長いパットを決めて、勝利を確実なものとした。
さすがに、プレッシャーが襲ってきた上がりホール。だが、ミスにも冷静に対処した。
17番パー3では、ティショットのミスでグリーンを大きくショートさせたが、絶妙のアプローチで、OKパーだ。


「緊張はありましたよ。でもそんな中でも今日は、ひとつひとつのことに、集中できていましたね。これまでも何度か、勝てそうで勝てないということを繰り返してきて、ようやく、この状況に適応できるようになってきた、ということでしょうか」


昨年、母国の公式戦『ニュージーランドオープン』も制し、今回は、「第2の故郷」(スメイル)で、ナショナルオープン“2冠”を達成。
「どちらも誰もが欲しい、と思ってなかなか取れない難しいタイトル。まさか僕が勝てるとは、思ってなかったんだけど…」と、謙遜したが、はるばる日本にやってきて7年。ゆっくりと着実に力を蓄えてきたスメイルは、今週この伝統の大舞台で、ようやくその実力を開花させたのだ。

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