NST新潟オープンゴルフ選手権競技 1999

大会記事

新潟オープン・番外編、夫婦二人三脚で挑む日々/プロ5年目の川原希(のぞみ)

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 連日の猛暑のなか、プロ5年目の川原希(29歳)と和子夫人(28歳)は、4日間を共に闘いぬいた。和子さんは、男子プロでさえ根をあげそうな暑さもものともせず、夫のキャディバッグを担ぎとおしたのだ。
 「こんなの全然平気です。体力には自信がありますから」と、和子さんの口からは、頼もしいセリフが飛び出した。
 和子さんが、出場優先順位を決める予選会の成績で今季、初のツアー出場権を得た川原を、陰から少しでも支えようと、キャディをかってでたのは5月の日本プロのとき。和子さん自身も、かつてプロを目指して研修生生活を送ったことがあるだけに、「ツアーは私にとっても夢の世界。その舞台を、この人と一緒に歩いてみたい気持ちもあって、無理をいってお願いしたんです」と話す。
 以来、今大会を含めて7戦。夫ともにロープ内を闊歩してきた。
 「ツアーは勝負の世界。毎日、緊張の連続ですが、同時に非常に生きがいも感じています」と、和子さんは、夫とともに充実感あふれる日々を送っている。
 クラブ選択や、グリーンの傾斜は、「余計に混乱させるといけないのでよっぽど迷っているとき以外は口出ししない」(和子さん)。その変わりに、和子さんは川原の精神面を強力にバックアップ。川原がミスをしたときに思わずこぼす数々の愚痴を、やんわりと受け止めて気分転換をはかり、次ホールへの士気を高めるのだ。
 「こいつが担いでくれるときとそうでないときは、明らかに違う。気分的に楽なんですね」(川原)
 そんな2人の目下の悩みは、「予選ラウンドではなんとか上位に残れても、必ず3日目、4日目に大叩きしてしまうこと」だ。成績を残したいと強く思うあまりのプレッシャーが、川原の場合は、特にパットに現われるようだ。
 今大会3日目も、通算4アンダー、11位とまずまずのスタートをきり、9番ロングではイーグルも飛び出したが、やはり問題のパットに悩まされ、ボギーが先行。スコアが伸ばせず、結局19位まで後退してしまった。「日を追うごとに入らなくなる。自信がどんどんなくなって、それが今度はショットにまで影響するんです。なんとかしたいと思えば思うほど、深みにはまっていくようで…」と川原はアタマを抱える。
 もっとも、まだツアーデビュー1年目。「うまくいくほうがおかしいのだから」と2人して、いろいろ思考錯誤を繰り返しながら臨んでいる。
 「言うことで発散させていた愚痴を、“今週は言わないでプレーしよう”とか、そういう細かい決めごとなんですけど…(笑)。この人にとって、どういうプレーパターンが一番いいのか、まだ掴めないんです。だから、これは、と思う方法をなんでも試して、地道にやってくしかないと思っています」と和子さんは言って、川原をそっと見上げた。
 「今回優勝した伊沢さんは、僕の大学(日体大)の先輩で、2位の細川(和彦)君は同期。2人のゴルフはほんとうにすごい。いつかぼくも必ず追いつきたいんです。これからも、(和子さんと)2人で勉強しながら、成長していきます」。
 二人三脚で挑む日々。2人なら、きっとどんな荒波も乗り越えていけるだろう。

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