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Japan Golf Tour
News
2008
[ニュース]
2008年1月〜
ライフ スキル エデュケーションの可能性
慶應義塾大学大学院
健康マネジメント研究科
スポーツマネジメント専修
浦邉 由美

昨年の2007年6月、UBS日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズ会場にて、スナッグゴルフの全国大会である第5回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会が開催された。

参加した児童及び監督・保護者に提出して頂いた感想文から、言語情報を整理するKJ法により、アメリカのザ・ファースト・ティ(TFT、The First Tee)、ライフスキルエデュケーションプログラムを参考に、ライフスキルにどのような効果があるか分析した。

分析対象の感想文は、小学2年生〜4年生の児童138名とその保護者・監督19名から構成される。


  1. KJ法:文化人類学者川喜田二郎(東京工業大学名誉教授)がデータをまとめるために考案した手法で、データをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて、図解、論文等にまとめてゆく。「創造性開発」(または創造的問題解決)に効果があるとされる。川喜田二郎 『発想法 _ 創造性開発のために』中公新書 1967年

  2. TFT: The First Tee
    米国内ジュニアゴルフ振興のため1997年から始まったプログラム。ゴルフと人格形成と通じ中核となる9つの価値基準を子供達に体得させ成長させることを目的としている。以下の9つが価値基準である。
    (1)正直(2)誠実(3)スポーツマンシップ(4)尊敬(5)革新(6)責任(7)忍耐(8)礼儀(9)判断

    TFTのライフスキルエデュケーションプログラムを受けた75%がコミュニケーション能力や責任感、そして自分への自信が改善されたと公表されてる。


1.KJ法:
昨年度感想文の言語情報からKJ法を用いて整理し、キーワードを抽出した。 121のキーワードが抽出され、グルーピングの結果27キーワードが抽出された。

:夢を持つことの大切さを知った、夢がかなった
緊張:とても緊張した、ワクワク、ドキドキ
成長:成長したな
Experience(経験):一生忘れられない思い出、感動、大切な思い出、良い経験、
満足:良かった、嬉しい
感謝:父母、先生、地域の人々への感謝、お世話になりました
思いやり:皆のために頑張る、補欠の人のぶんも頑張る、仲間を思いやる心
応援する・される:先輩・先生の応援が嬉しかった、友達を応援した
マナー:1番大事なことは礼儀とマナーだと学んだ
普段の生活に生かす:学校生活や部活に生かしたい、勉強も部活も頑張る、
Challenge:いろんな事にチャレンジしたい
集中力:集中した
自信:毎日の練習を思い出してプレーした、自分の力を発揮した
羞恥心:恥ずかしかった、逃げ出したくなった
:パパに教わったことを思い出した、お父さんが応援してくれた
出会い:全国に上手い人がいることを知った
仲間:同じ目標を持った友達ができた、仲間がいるから楽しかった
協力:みんなで力をあわせた、こころをひとつに
努力:最後まであきらめない、一生懸命頑張った、練習の成果、全力プレイ
くやしい:くやしくて涙が出た
継続:来年も出場したい、これからも頑張る、スナッグゴルフを続けたい
将来の目標:来年も出場したい、スコアをよくしたい、強くなりたい
今大会の目標:20台でまわる、チーム優勝と個人で1位、自己ベストを出す、
 アンダーでまわる、去年よりいいスコア、ボギーをださない
スナッグゴルフ:バーディー・イーグルをとった、グリーンが難しかった
ゴルフ場に感動:緑のカーペット、本物の広いゴルフ場、
プロゴルファー:プロになりたい、キッズエスコートが嬉しかった
ゴルフをしたい:こんどはゴルフをしたい

以上27のキーワードをさらに整理をすると7つのキーワードが抽出された。

「Experience(経験)」「自信」「努力」「感謝」「目標設定」「継続」「協力」



2.TFT分析:
アメリカにおけるTFT効果分析(フロリダ大学及びネバダ・ラスベガス大学による研究調査)を参考に分析した。

アメリカのTFTのプログラムの最大目標は、ゴルフと人格形成を通じ9つの価値判断を体得させ成長させることにある。

また目標を達成するのに最も重要な要素は、ゴルフとライフスキルを教える側と学習する側とが完全に一体感をもつ点にある。そこで、児童と監督・保護者、それぞれどのような効果を感じているか分析した。


A 児童
82.3%の子供達が継続意思をみせた。
78.2%の子供達がプロゴルファーへの夢を持った。
77.6%の子供達が目標設定を持った。
69.7%の子供達が忍耐を学んだ。
69%の子供達が感謝の気持ちを持った。




B 監督・保護者
89.0%の監督・保護者は子供の成長を認めた。
87.3%の監督・保護者は仲間が増えた事を認めた。
81.0%の監督・保護者はマナー向上を認めた。
81.0%の監督・保護者が目標設定を認めた。
80.0%の監督・保護者がコミュニケーションスキル向上を認めた。
74.7%の監督・保護者は地域とのコミュニケーションが増えたことを認めた




上記に加え、過半数以上の監督・保護者が児童の自信や積極性が成長した事を認めた。

★最も重要な事は、児童が普段の学校生活を続けながら貴重な人生経験を積み、教訓を学んだことであろう。彼らは学校でのスナッグゴルフの練習、あるいは地域、家庭での練習などでよりよい人間となるための人格形成スキルの基盤を構築しつつ、成功と失敗の経験を繰り返し、その扱い方を学んでいるだろう。

★一方、監督・保護者の結果から、地域とのコミュニケーションが増えた事に注目したい。地域活性化と同時に、地域・学校・家庭が三位一体となり子ども達を育てる・ライフスキル向上に貢献する活動となっているのではないだろうか。 <参考資料>






<参考資料>
米国での調査結果レポート

ザ・ファースト・ティ(TFT)というゴルフ場での、ゴルフとライフスキルを学ぶ教育プログラムにおいて、3段階の講習の第一段階の、6週間のプログラムに参加した児童の両親によるアンケートが行なわれた。このアンケートは、フロリダ大学及びラスベガス大学により2003年に行なわれた調査結果である。
  • 74% 子供のコミュニケーション能力に前向きな変化を認めた。
  • 74% 子供が責任をとろうとする前向きな変化を認めた。
  • 76% 子供が自信を深めたことを認めた。
  • 52% 子供の学校の成績が上がったことを認めた。
  • 66% 子供の社交能力が増大したことを認めた。
  • 47% コミュニケーション、尊敬、積極的な態度、感情抑制、目標設定など、重要なライフスキルに対する知識と理解が参加前より深まった。


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