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踊るすし!!
ラウンド中にあまりやりすぎると集中力が散るし、何より他の選手に迷惑がかかるという理由で最近はめったに披露しない。前半9番のイーグルでさえ封印した“すしダンス”を、最後の最後に大放出だ。

560ヤードの最終18番パー5。
ピン左7メートルのバーディパットをねじ込んで、拳を握り、「つったかたー」とその場をぐるぐる行進し、パターを杖に腰を振る。

そして改めてガッツポーズ!
北の大地のさわやかな青空のもと、超ロングバージョンの“すしダンス”で会場を盛り上げた。
一時は13アンダーまで伸ばしながら、17番でダブルボギー。
10アンダーとスコアを崩したが、このバーディで通算11アンダー。
2位と3打差の単独首位に、ギャラリー振りまいた明るい笑顔。

それとは裏腹に、心は沈んでいた。
「今日は、泣きそうになりながらプレーした」。

地元・埼玉県立蕨高校野球部時代の監督、佐藤明広さんが、49歳という若さで亡くなったと知らせが入ったのは前日2日目の夜。

いまは同・春日部工業高の野球部・顧問をつとめていた恩師とは、卒業後もずっと交流があった。
たまに電話をかけてきて叱られる。
「いい加減に優勝しろよ、この野郎!」。
乱暴な言葉も愛情の裏返し。
そして、上位で終った翌週は「俺の言うとおりにやっているな」と褒められて、オフにはゴルフに誘われることもたびたびあった。

交通事故ということだが動転していて、原因を詳しく聞き返すことさえできなかった。
突然の訃報に動揺しながら、思い出されたのは高3の夏の大会。

地区予選の2回戦までコマをすすめた翌日の新聞に、監督の談話として「石垣の集中力はものすごい」と書いてあった。
「監督は、俺のことをそんなふうに思ってくれていたんだ」と、ひそかに嬉しかった気持ちは今でも覚えている。

「そうだ、ゴルフでも大事なのは集中力」。
18番で、いったんはカップの寸前で止まったバーディパットが最後にポトリ・・・と吸い込まれたのも「先生の力があるのでは、と」。
監督の遺言と、その存在の大きさを噛みしめながらのこの日の18ホールだった。

今週から道内2連戦だが今大会が終ったら、いったん本土に戻る。
29日火曜日の通夜に参列するためだ。
「監督に良い報告がしたい」。
急逝した恩師にツアー初優勝を捧げたい。
いつも明るい選手が珍しく、しんみりと話した。






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